外旋六筋の起始停止や坐骨神経痛との関係について!評価とアプローチも紹介!

外旋六筋とは

下肢帯の筋(muscles of the pelvic region)は骨盤の周辺にある筋群で、骨盤腔の内壁をつくる内寛骨筋群(muscles of the iliac region)と、殿部にある外寛骨筋群(muscles of the gluteal region)に区別される。外寛骨筋群には、比較的大きな殿筋群と深側の小さな筋よりなる外旋筋群がある。外旋筋群は大殿筋の深側にあり、梨状筋(piriformis m.)、内閉鎖筋(obturatorius internus m.)、上双子筋(gemellus superior m.)、下双子筋(gemellus inferior m.)、大腿方形筋(quadratus femoris m.)がある。これに外閉鎖筋(obturatorius externus m.)を加えた、6つの筋を外旋六筋とする。大腿の外旋運動を行う。

起始停止と作用

・梨状筋(piriformis m.)

起始:仙骨の前面で第2~4前仙骨孔の両側

停止:大転子の先端の後縁

神経:仙骨神経叢(S1~S2)

栄養血管:上殿動脈、下殿動脈、外側仙骨動脈

作用:股関節の外旋、外転

・内閉鎖筋(obturatorius internus m.)

起始:骨盤の内面で閉鎖膜とそのまわり(広い)

停止:転子窩の上部

神経:仙骨神経叢(L4~S2)

栄養血管:上殿動脈

作用:股関節の外旋

・外閉鎖筋(obturatorius externus m.)

起始:閉鎖膜の外面とそのまわり

停止:大腿骨転子窩

神経:閉鎖神経(L3~L4)

栄養血管:閉鎖動脈

作用:股関節の外旋、内転

・上双子筋(gemellus superior m.)

起始:坐骨棘

停止:内閉鎖筋の腱、転子窩

神経:仙骨神経叢(L4~S2)

栄養血管:下殿動脈

作用:股関節の外旋

・下双子筋(gemellus inferior m.)

起始:坐骨結節の上部

停止:内閉鎖筋の腱、転子窩

神経:仙骨神経叢(L4~S2)

栄養血管:下殿動脈

作用:股関節の外旋

・大腿方形筋(quadratus femoris m.)

起始:坐骨結節の外面の前部

停止:大転子の下部、転子間稜

神経:仙骨神経叢(L4~S2)

栄養血管:下殿動脈

作用:股関節の外旋、内転

※大腿方形筋、内閉鎖筋、梨状筋、外閉鎖筋、下双子筋、上双子筋の順番に筋出力が大きい。

※外閉鎖筋は遅筋線維、筋紡錘が多く含まれる。→適切なタイミングで骨頭を臼蓋に引きつける。

関連症例

・股関節の回旋可動域制限。

・骨盤、腰椎のほとんどが障害に影響。

・表層筋(大殿筋や中殿筋)の緊張↑。

・大腿骨頭の不安定化。→大腿骨頭を臼蓋に引きつける作用が低下。

・歩行時や起立、着座時の動作での骨盤、股関節の動揺。→大腿骨頭の不安定化。外閉鎖筋の機能不全。

・歩行時に下肢のふりだしや床接地時の疼痛。

・梨状筋症候群→坐骨神経が梨状筋の下層で圧迫を受け、坐骨神経症状が出現する病態であるが、腰部椎間板ヘルニアと症状が類似しているため鑑別診断が必要である。梨状筋への圧痛と放散痛、股関節の内旋で症状が増悪することが特徴である。

・坐骨神経痛

神経周膜を筋が引っぱる事で神経が圧迫され、腰部~足部にかけて疼痛やしびれが出てくる。

1、梨状筋による絞扼。

2、大腿方形筋の緊張により筋膜を介して絞扼。

3、大腿方形筋と外側ハムストリングスによる絞扼。

この順に疼痛が出やすい。

評価とアプローチ

評価

MMT、股関節内外旋ROM、圧痛、片脚立位、筋tone

アプローチ

側臥位にてトリガーポイントを触れる。トリガーポイントにコンタクトし、圧痛がなくなるまで待つ。

上部から、梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋と順番にアプローチしていく。

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