三角筋の起始停止と作用!触察法は?

三角筋とは

上肢帯の筋は、上肢帯(肩甲骨、鎖骨)からおこって上腕骨に停止する。すべて腕神経叢の枝によって支配される。胸部や背部からおこって上腕骨に停止する筋(大胸筋、広背筋など)とともに、肩関節による上腕の運動を行う。

三角筋(deltoid m.)、棘上筋(supraspinatus m.)、棘下筋(infraspinatus m.)、小円筋(teres minor m.)、大円筋(teres major m.)、肩甲下筋(subscapularis m.)の6筋がある。このうち三角筋と小円筋は腋窩神経支配、棘上筋と棘下筋は肩甲上神経支配で、肩甲下筋と大円筋は肩甲下神経支配である。

三角筋は肩関節を広く覆う厚い筋で、肩の丸みをつくり、体表から観察される。筋線維は鎖骨外側、肩峰、肩甲棘からおこり、それぞれ前部線維、中部線維、後部線維を形成する。肩関節の外転に必須である。棘下筋、小円筋は三角筋の深層にある。

三角筋の鎖骨部の内側方には、大きな溝がある。この溝は三角筋の内側下縁、大胸筋の外側上縁、および鎖骨の下縁で構成されており、三角筋胸筋三角(鎖骨下窩、モーレンハイム三角)と呼ぶ。

三角筋は、大胸筋(腱)、上腕筋(壁様の腱)、上腕三頭筋(筋間中隔)、僧帽筋(腱)、棘下筋(腱)および広頚筋(筋膜)と連結している。

起始停止と作用

三角筋(deltoid m.)

起始:肩甲棘・肩峰・鎖骨の外側部1/3

停止:上腕骨三角筋粗面

神経:腋窩神経((C4)、C5、C6)

作用:鎖骨部→肩関節の屈曲、内旋、肩峰部→肩関節の外転、外旋、肩甲棘部→肩関節の伸展、外旋

触察

三角筋の下端

1、被検者は背臥位。触察者は触察部位の外側方に位置する。

2、上腕骨の外側面の中央部に指を置き、内側方へ圧迫しながら指を頭方~尾方に移動させ、三角筋と上腕筋との境界を確認する。

前腕回内位で肘関節を屈曲させる事で、この境界を観察、触知しやすい。

32で確認した三角筋と上腕筋との境界を上腕骨の前外側面まで前方へたどる。

三角筋の鎖骨部の内側下緑

1、被検者は背臥位。触察者は触察部位の外側方に位置する。

2、鎖骨の中央やや外側方の部位のすぐ尾方で、三角筋胸筋三角(鎖骨下窩、モーレンハイム三角)を確認する。

3、三角筋胸筋三角(鎖骨下窩)に指を置き、外側方へ圧迫する。

43で確認した筋腹の内側下縁を三角筋の下端を指標にして外側尾方へたどる。

抵抗に対し肩関節を自動屈曲させたり自動内転させたりすると、三角筋と大胸筋が交互に収縮し、両筋の境界が触知しやすい。

三角筋の肩甲棘部の内側下縁

1、被検者は腹臥位。触察者は触察部位の外側方に位置する。

2、肩甲棘の内側端と三角筋の下端とを結ぶ線の中点に指を置き、前方へ圧迫しながら指を外側頭方へ移動させる。

32で確認した筋腹の内側下縁を、肩甲棘の内側端を指標にして内側頭方へたどる。

42で確認した筋腹の内側下縁を、三角筋の下端を指標にして外側尾方へたどる。

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