肘関節と前腕と手関節の関節可動域(ROM)測定の方法は?参考可動域や基本軸と移動軸!

関節可動域測定の測定方法

肘関節(elbow joint)

屈曲、伸展(flexion、extension)

肢位:腰掛け坐位、または立位で上肢を体側に下垂し、前腕を回外にした姿勢

測定:上肢の外側より測定

基本軸:上腕骨軸

移動軸:橈骨

交点:肘関節軸(上腕骨外側上顆)

運動:屈曲は前腕を前方から上腕に近づける運動、伸展は基本肢位から後方へ動かす運動。また、基本肢位よりさらに伸展する場合を過伸展(hyperextension)ということもある。

参考可動域:屈曲145°、伸展

測定上の留意:移動軸の目安は橈骨茎状突起にする。測定に当たって前腕が回外位をとれないときには、それを記載する。肩関節の屈曲を防ぐため上腕骨の遠位端を固定する。

前腕(forearm)

回内、回外(pronation、supination)

肢位:腰掛け坐位、または立位で上肢を体側につけ、肘を90°屈曲し、前腕を中間位で手掌を体側に向けて、指を伸展位にした姿勢

測定:指先側より測定

基本軸:上腕骨または橈骨茎状突起を通る床に垂直な線

移動軸:伸展した母指を含めた手掌面、または移動した橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線

交点:第3指先端

運動:回内は母指が内側にいき、手掌が床面に向く運動、回外は母指が外側にいき、手掌が天井に向く運動

参考可動域:回内90°、回外90°

測定上の留意:肩関節の代償運動を避けるために上肢を体側にしっかり固定する。手関節の代償運動を避けるためには手に鉛筆や棒などを握らせるとよい。

手関節(wrist joint)

屈曲(掌屈)、伸展(背屈)(flexion or palmar-flexion、extension or dorsi-flexion)

肢位:腰掛け坐位、または立位で肘を90°屈曲位で前腕中間位にした姿勢

測定:前腕外側面より測定

基本軸:橈骨

移動軸:第2中手骨

交点:手関節軸

運動:屈曲は手掌を前腕前面に近づける運動、伸展はその逆の手背を前腕後面に近づける運動

参考可動域:掌屈90°、背屈70°

測定上の留意:前腕の回内外を防ぐため橈骨と尺骨を固定する。

屈曲(橈屈)、伸展(尺屈)(radial flexion、ulnal flexion)

肢位:腰掛け坐位、または立位で肘を90°屈曲位で前腕を回内位にした姿勢

測定:前腕背面と手背面より測定

基本軸:前腕の中央線

移動軸:第3中手骨

交点:手関節軸

運動:橈屈は母指を橈骨に近づける運動、尺屈はその逆の第5指を尺骨に近づける運動

参考可動域:橈屈25°、尺屈55°

測定上の留意:掌背屈運動を伴わないようにすること。

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