表情筋の筋の名称は?作用も紹介!

表情筋群とは

浅頭筋群は、顔面の骨からおこり、顔面の皮膚に停止する。このような骨格筋を皮筋と呼ぶ。眼、耳、鼻、口などの開口部の開閉のために発達したもので、言葉を話し、顔面の表情をつくる。関節運動には直接関与しない。

表情筋群には、その部位や走行からいくつもの筋名がつけられているが、筋線維は交織し、個々の筋膜には包まれずに複雑にからみ合っており、独立した筋として存在するのではない。顔面神経に支配されるので、顔面神経麻痺では患側がゆるみ、健側がひきつったように見える。

頭蓋表面と耳介の筋

1、後頭前頭筋一前頭筋(Occipitofrontalis -frontal belly)

額の皮膚に横のひだを作り、眉を上げる。

2、後頭前頭筋一後頭筋(Occipitofrontalis -occipital belly)

帽状腱膜(Epicranial aponeuro-sis)を後方に引き、額を滑らかにする。

3、側頭頭頂筋(Temporoparietalis )

帽状腱膜を横に張る。

4、後耳介筋(Auricularis posterior)

耳介を後方に引く。

5、前耳介筋(Auricularis anterior)

耳介を前方に引く。

6、上耳介筋(Auricularis superior)

耳介を上方に引く。

後・前・上耳介筋とも、人間では退化して、ほとんど耳介を動かすことはできない。

眼裂周囲の筋

1、皺眉筋(Corrugator supercilii)

眉を内下方に引き、左右眉間の縦のひだを作る。

2、眉毛下制筋(Depressor supercilii)

眉毛を下に引く。

3、鼻根筋(Procerus)

眉間の皮膚を引き下げ、鼻根にひだを作る。

4、眼輪筋(Orbicularis oculi)

眼瞼部:眼裂を閉じる。

眼窩部:眼裂を強く閉じる。

涙腺部:涙囊を広げて涙を吸い込ませる。

鼻部の筋

1、鼻中隔下制筋(Depressor septi nasi)

鼻中隔を引き下げ、鼻孔を広げる。

2、鼻孔圧迫筋(Compressor naris)

鼻孔を圧迫し狭くする。

3、鼻孔拡大筋(Dilatator naris)

鼻孔を外下方に引き鼻孔を広げる。鼻孔圧迫筋と鼻孔拡大筋は鼻筋(Nasalis)に属し、前者を鼻筋の横部(transverse part)、後者を鼻筋の翼部(alar part)という。

口裂周囲の筋

1、上唇鼻翼挙筋(Levator labii superioris alaeque nasi)

2、上唇挙筋(Levator labii superioris)

3、小頬骨筋(Zygomaticus minor)

この3筋は上唇を引き上げ、鼻翼を引き上げる。鼻唇溝を形成する。

4、大頬骨筋(Zygomaticus major)

口角を引き上げる。

5、笑筋(Risorius)

口角を外方に引き、えくぼを作る。

6、頬筋(Buccinator)

頬壁を形成し、これを歯列に押しつける。風船を膨らませるような強く空気を吹き出すときに働く。また歯と頬壁のあいだに挟まった食物を追い出すときにも作用する。

7、口角挙筋(Levator anguli oris)

口角を引き上げる。

8、口輪筋(Orbicularis oris)

中心部の線維は口を軽く閉じ、周辺部は強く閉じるときに働く。また口笛などをふくときのロを尖らせる動作でも働く。

9、下唇下制筋(Depressor labii inferioris)

下唇を外下方に引く。

10、口角下制筋(Depressor anguli oris)

口角を引き下げる。

11、オトガイ横筋(Transversus menti)

二重顎を作る。

12、オトガイ筋(Mentalis)

オトガイ部の皮膚を引き上げて、下唇をつき出し、小さなくぼみを作る。

広頸筋の顔面部

1、広頸筋(Platysma)

下顎骨縁から第2肋骨付近の皮膚につく。頸部および鎖骨下方の皮膚を上に引き、筋膜を緊張させる。

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